ヘルシー食材の馬肉を使用しぐれ煮と相性抜群の「馬肉蕎麦」郷土料理もう一品!熊本県は馬肉の生産量全国1位(農林水産省令和元年畜産物流通統計)で、消費量も熊本が日本一です。馬肉を食べるという食文化は、肥後藩主・加藤清正が朝鮮出兵の際、食料がなくなりやむを得ず食した軍馬がとてもおいしかったことから、帰国後も好んで食べたことにより広まったと伝わります。また、阿蘇山麓の放牧地は陸軍の軍馬の生産地で、戦後の食糧難で牛肉や豚肉の代用品として役目を終えた軍馬の肉を使ったことにより馬肉料理が広まったともいわれます。を▶を加工したあとの余ったこま切れ肉、醤油や砂糖、しょうがを入れて甘辛く炊き込んだしぐれ煮は、ごはんのおかずや酒のつまみとして昔から親しまれてきました。このしぐれ煮を蕎麦の上にのせたのが「馬肉蕎麦」です。で脂肪分が少ないヘルシーな食材のため、肉食が禁止されていた江戸時代に、けが人や病人に栄養価の高い薬膳料理として提供されていたようです。で販売されている馬肉。カレーや肉じゃがなどにもマッチし、ポピュラーな食材になっています。「馬肉蕎麦」は、現在熊本市内の老舗のそば店でも提供されており、1年を通して食べることができます。馬肉を使用した料理の中でも、馬刺し馬肉はタンパク質やビタミン類が豊富現在はスーパーでも牛肉や豚肉と並ん蓮根の穴に辛子を混ぜた味噌を詰め、衣をつけて油で揚げた「からし蓮根」●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、画像提供元 : 尚絅大学生活科学部 守田 真里子氏、『ポプラディア情報館 郷土料理』(株式会社ポプラ社)〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行 1部85円(発行部数36,500部)みんなどんどん使ってネりんしょう犬さんスタンプ購入サイト温かい蕎麦の上に馬肉のしぐれ煮がのった「馬肉蕎麦」 熊本県は全国的にも上位の生産量を誇る蓮根の産地で、「からし蓮根」は細川藩と縁のある料理として知られています。からだが弱かった肥後熊本藩初代藩主の細川忠利のために、玄宅和尚がからだによいといわれていた蓮根を使って考案。病弱だった忠利公は「からし蓮根」を食べてみるみる剛健になり、健康食として伝承されたようです。 切り口が細川家の家紋に似ているため、しばらくは門外不出の料理でしたが、明治時代に入ってからは一般に製法が広まり、現在は家庭でも手づくりされています。熊本県医食同源い草畳の原料となるいぐさの国内生産のほとんどは、熊本県が占めています。生活様式の洋風化などにより、い草の作付面積は減少していますが、熊本県のい草からつくる畳表は最高級品とされ、熊本城本丸御殿の大広間をはじめ、歴史的文化財の再生には数多く使用されています。Memo次世代に伝えたい!「からし蓮れんこん根」はお殿様の健康食だった?馬肉蕎麦郷土料理麺
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