プリン体を多く含む食品やアルコールとは?痛風の発症には生活習慣のほか遺伝要因が大きく関わるんぱく質の摂取量の増加などのほか、高齢化も影響していると考えられます。高尿酸血症は生活習慣、特に食生活が大きく関わっています。尿酸は体内でプリン体が分解されることでつくられます。プリン体は体内で生成されるほか、摂取する食品や飲料にも含まれています。プリン体が多く含まれているのは、高カロリー食、レバーやエビなどの動物性食品、アルコール飲料などです。このため、これらの食品を多く摂っていると、プリン体の摂りすぎ、さらには尿酸値を高めることにつながります。また、アルコールは体内でのプリン体の合成を促し、尿酸の排出を抑制することもわかっています。アルコール飲料の中では、ビールがプリン体を多く含み、蒸留酒やワインよりも血中の尿酸値を高めることがよく知られています。例えば100mlあたりのプリン体含有量は、日本酒は1・2~1・5mg、ワイン(白・赤)1・6mgなのに対して、ビールは3・3~9・8mg(販売元による)含まれています。 地ビールの場合は、さらに多くす。発泡酒は1・1~3・9mgで、プリン体カットのものは0・1mg程度です。このため、血中の尿酸値への影響を最小限にとどめる摂取量の目安は、1日にビール350~500ml(販売元による)、日本酒1合、ウイスキー60mlとされています。ワインは148mlまでは、血中の尿酸値を上げないとされています(「高尿酸血症・痛風のガイドライン第3版」一般社団法人日本痛風・尿酸核酸学会より)。また、プリン体の摂取以外にも肉類や内臓類の摂取、飲酒、激しい筋肉運動、加糖の摂取、ストレス、肥満などが直接、尿酸産生の過剰や排泄低下を招くこともわかっています。一方で、高尿酸血症の人がすべて痛風を発症するわけではありません。痛風は環境要因と遺伝要因が複雑にからみあって発症します。痛風の発症に関する遺伝子についてはさまざまな研究が行われ、近年は遺伝出典:公益財団法人痛風・尿酸財団1986 1989 1992 1995 1998 2001 2004 2007 2010 2013 2016 2019 2022 (年)出典:厚生労働省ホームページ 国民生活基礎調査高血圧肥満高中性脂肪高コレステロール血症尿路結石約20%出典:日本生活習慣病予防協会15mg程度含まれているものもありま2025.03 – LABO ■12図表1 国民生活基礎調査から推定される痛風患者数(万人)120図表2 痛風患者の合併症10080604020042.0%42.8%37.6%49.2%データで見る痛風■痛風の治療を受けている総患者数は、約130万人 ■高尿酸血症の推定患者数は、約1,300万人 ■高尿酸血症患者の8割はメタボリックシンドローム合併*■痛風患者の37%はメタボリックシンドローム合併*■尿酸値が9mg/dl台だと、6mg/dl未満に比べて、5年間の痛風発作発症率が40倍*■尿酸値が10mg/dl以上だと、6mg/dl未満に比べて、5年間の痛風発作発症率が60倍**「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版」(日本痛風・尿酸核酸学会)より男性女性Medical Trendメディカル・トレンド
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