Labo_No.553
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504があります。不眠症状タイプは、原因を探ったり、睡眠薬を選択したりする際に参考になります。不眠症状が出現するメカニズムとしては、睡眠を起こす神経機構(睡眠中枢)の働きが弱まって睡眠が浅く不安定になる睡眠維持困難。体内時計が減弱になり睡眠時間帯が遅れてしまうため生じる入眠困難。体内時計の減弱により睡眠時間帯が早まってしまう早朝覚醒。覚醒を保つ神経機構(覚醒中枢)の過剰な活動により目が冴えて眠れない入眠困難などが考えられます。『社会生活基本調査』では、日本人の睡眠時間は平均して7時間半程度ですが、その人にとって十分な睡眠時間(必要睡眠時間)には大きな開きがあります。ごくまれに、3、4時間ほどの睡眠で間に合っている人(ショートスリーパー)もいれば、10時間ほど眠らないと寝足りない人(ロングスリーパー)までさまざまです。また、健康な人でも年齢とともに必要睡眠時間は徐々に短くなります。加齢とともに不眠症状は増加し、60歳以上では半数以上に認められますが、「若いころはもっと眠れたのに」は禁物です。なぜなら、不眠症は不眠そのものだけではなく「日中に不調が出現する」ことが問題なのです。眠りが浅く感じられても、昼間の生活に支障がなければ不眠症とは診断されません。睡眠時間が短いことや目覚めの回数にこだわりすぎないことが大切です。不眠はだれでも経験しますが、自然に改善して再び眠れるようになることがほとんどです。ただし、いったん慢性不眠症に陥ると適切な治療を受けないと回復しにくいといわれています。不眠の原因はストレス、心や身体の病気、薬の副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。さらに、不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。生活習慣の見直しなど家庭での不眠対処で効果が出ないときは専門医に相談しましょう。大切なのは、不眠症状をともなうさまざまな睡眠障害を見逃さないことです。以下の特殊な睡眠障害は専門施設での検査と診断が必要です。それぞれの治療法があり、通常の睡眠薬では治りませ睡眠時間(分)睡眠時間(分)寝床で過ごした時間睡眠寝床で過ごした時間睡眠05 10 15 25 35 45 55 65 75 8505 10 15 25 35 45 55 65 75 85日中の不調が決め手睡眠時間は問題ではない不眠症の原因はさまざま睡眠恐怖症に陥る前に対策を専門医の診断・治療が必要な覚えておきたい睡眠障害2025.02 – LABO ■図表2 脳波で計測した夜間睡眠時間の加齢変化図表1 年齢別不眠の頻度600500400300200100寝つくまでの時間25歳7.0時間中途覚醒深睡眠(徐波睡眠)浅睡眠(睡眠段階2)浅睡眠(睡眠段階1)45歳6.4時間65歳6.0時間レム睡眠年齢(歳)「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」より(%)3025201510600寝つくまでの時間(全国20歳以上2,559人)5004003007.2%15.2%20010020〜39歳40〜59歳60歳以上5.2%中途覚醒早朝覚醒 不眠入眠困難25歳7.0時間中途覚醒レム睡眠深睡眠(徐波睡眠)浅睡眠(睡眠段階2)浅睡眠(睡眠段階1)年齢(歳)「睡眠障害の対応と治療ガイドライン 第3版」より45歳6.4時間65歳6.0時間18.8%いずれかのタイプ

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