Labo_No.553
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悩みや心配ごとがあるとき、試験や旅行の前日、だれしも「眠ろうとしてもどうしても眠れない」という不眠体験はあるものです。通常は数日から数週のうちにまた眠れるようになりますが、ときには不眠が改善せず長期間にわたって続く場合があります。不眠が続くと、倦怠感、意欲低下、集中力低下、抑うつ、頭重、めまい、食欲不振など、日中にさまざまな不調が出現するようになります。このように「夜間の不眠が続き」「日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」、この2つが認められたとき不眠症と診断されます。さらに、不眠症は、慢性不眠症(慢性不眠障害)と短期不眠症(短期不眠障害)の2つに分けられます。不眠と日中の不調が週に3日以上あり、それが3か月以上続く場合は慢性不眠症、3か月未満の場合は短期不眠症と診断されます。不眠症状には、寝つきの悪い「入眠障害」、眠りが浅く途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、早朝に目が覚めて二度寝ができない「早朝覚醒」などのタイプ「不眠症」とは夜間の不眠+日中のQOLの低下神経機構や体内時計が関与不眠症のタイプとメカニズム3■ LABO – 2025.02 睡眠に関連した多種多様な病気を総称して「睡眠障害」といい、大きく分類すると、不眠症、過眠症、睡眠時随伴症があります。なかでも不眠症は、一般成人の30~40パーセントが何らかの不眠症状を有しており、成人の約10パーセントに慢性不眠症がみられるとされるなど、いまや国民病といえそうです。『健康日本21』を推進する厚生労働省も、「睡眠による休養を十分とれていない人の割合」を2009年の18.4パーセントから15パーセントに低下させることを『健康日本21(第二次)』において目指していましたが、2018年に21.7パーセントと悪化。これを受け、2024年2月に約10年ぶりに『健康づくりのための睡眠ガイド2023』を公表しました。 新たな科学的知見を踏まえた参考情報をまとめるとともに、成人・こども・高齢者の区分ごとに推奨事項を提示し、睡眠の環境づくりや生活習慣の見直しなどを呼びかけています。賢く知って 正しく対処!病気とけんさ『健康づくりのための睡眠ガイド』を発表厚生労働省が10年ぶりに「睡眠障害」

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