6謹んで新春のお慶びを申し上げます。平素より、一般社団法人日本衛生検査所協会の皆様方には、一般社団法人日本臨床衛生検査技師会(以下、日臨技と略す)の活動に対し、ご理解とご協力を賜り心より感謝申し上げます。さて、我が国では高齢化の更なる進展や人口減少に対応するため、限りある医療資源を有効に活用するための施策として、令和7年度厚生労働省予算概算要求における重点要求が示されました。重点要求の一つとして掲げられた、全世代型社会保障の実現に向けた保健・医療・介護の基盤強化に関しては、医療・介護における医療DXの推進、医師偏在対策・地域医療構想・かかりつけ医機能等の推進、救急・災害医療体制等の充実、次なる感染症危機に備えた体制強化などが盛り込まれています。特に、2030年に向けて「医療DX・医療費の適正化計画」が進められており、全国すべての医療機関(地域のクリニックを含む)に標準型電子カルテ(簡易版)の普及、医療情報の標準化の推進、さらに保険証と一体化したマイナンバーカードに紐づけされた「3文書・6情報」(6情報には検査結果43項目が含まれる)が各医療機関・薬局等で情報共有できる「全国医療情報プラットフォーム」の基盤構築が進められています。我々、臨床検査技師を取り巻く環境も大きく変わろうとしており、医療機関における検査室のあり方、臨床検査技師の働き方改革が求められています。医療費の適正化に向けた施策が進められる中で、更なる医療費の抑制などにより病院経営は一層厳しさを増すことが推測されます。また、人口減少による就労人口の減少も相まって、安易に人員増が望めない現状があります。我々の根幹である「検査結果の品質保証」を担保した上で、従来の「やりたい事」と病院経営に影響を及ぼす外部環境及び内部環境を把握して、「やるべき事」との違いを認識し、技術革新、新たなデジタル技術を活用し、医療機関の実情に合わせて、「臨床検査DX」を進める必要があると考えています。デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用して仕事の根本的な業務プロセスを見直し、業務効率を向上させることが目的です。日臨技はこのような社会情勢、医療環境の中で、10年後、20年後も臨床検査技師として働き続けることのできる環境を整えるため、信頼される臨床検査技師の育成、処遇改善に向けた活動を引き続き展開して参ります。臨床検査業界が一丸となって「医療DX」を進めるにあたり、貴協会との連携を一層深め、情報共有に努めて参りますので、今後ともご指導のほどよろしくお願いいたします。結びに、貴協会の益々のご発展とご活躍を祈念し年頭のご挨拶とさせていただきます。一般社団法人日本臨床衛生検査技師会代表理事会長 横地 常広2025.01 – LABO ■
元のページ ../index.html#6