3謹んで新年の御挨拶を申し上げます。年頭に当たり、日頃より医療行政に対して多大なる御理解、御協力をいただいていることに対し、深く御礼申し上げます。2024年の年頭にありました能登半島地震等の災害対策については、保健・医療従事者の皆様に多くの御協力をいただきました。また、将来の災害や次なる感染症危機に備えて、保健・医療従事者の皆様から御協力をいただいております。重ねてとなりますが、この場をお借りして深く感謝を申し上げます。人口構造や新型コロナ後の患者受診行動変容等の変化、経済状況、賃上げなどによって医療機関の状況が急変するなか、今般の補正予算による対策を着実に実施してまいります。新たな地域医療構想については、昨年、有識者による検討会を設置し、2040年頃を見据え、医療・介護の複合ニーズの増大や現役世代の減少等に対応できるよう、中長期的課題について整理し、昨年末に議論のとりまとめを行いました。本年は、新たな地域医療構想のためのガイドラインの作成を行うなど、引き続き、必要な検討を進めてまいります。現行の地域医療構想の達成に向けた取組についても、モデル推進区域に対しアウトリーチの伴走支援を行うなど、更なる推進に努めてまいります。昨年4月にスタートした第8次医療計画についても、都道府県や関係者の皆様のご意見を伺いながら、国として必要な支援を行ってまいります。また、医師偏在対策については、昨年末に総合的な対策のパッケージを示し、緊急的に先行して取り組むべき施策については、今年度の補正予算に盛り込んだところです。引き続き、パッケージの取組を順次実施しつつ、将来を見据えた医療提供体制の推進を図ってまいります。さらに、地域によって大きく異なる人口構造の変化に対応して、「治す医療」 から「治し、支える医療」を実現し、地域ごとに必要な医療を必要なときに受けられる体制を確保していくことが重要です。2023年5月に成立した、地域において必要なかかりつけ医機能を確保するための改正医療法によって新設した、かかりつけ医機能報告制度等が今年4月に施行されます。施行に向けては、昨年7月に分科会の報告書をとりまとめましたが、引き続き、 皆様の理解が得られるように必要な取組を進めてまいります。あわせて、昨年4月に施行された医師の時間外・休日労働上限規制については、都道府県と緊密に連携を図りながら、必要となる取組を推進し、引き続き更なる医師の働き方改革の推進と地域医療確保の取組を一体的に進めてまいります。2025年は、こうした昨年までの検討を踏まえ、 医療政策の具体化を進めていく年となります。医療政策の施策に当たって、医療を受ける国民の皆様の立場に立ち、関係者の皆様のご意見を丁寧に伺いながら取り組んでまいります。皆様の一層の御理解と御協力を心よりお願い申し上げます。皆様にとって実り多き一年となることを心より祈念申し上げて、新年の御挨拶といたします。令和7年 年頭所感厚生労働省医政局長 森光 敬子■ LABO – 2025.01
元のページ ../index.html#3