る検査の価値を強くメッセージしたいという思いを表現しました。「人生100年時代」は、ロンドン・ビジネス・スクールのリンダ・グラットン教授、アンドリュー・スコット教授によって提唱された言葉です(2016年)。これまでの人生設計は「20年学び、40年働き、20年休む」という「教育、仕事、老後」の3段階が一般的であったものが、100歳まで生きることが一般化する社会では、年齢による区切りがなくなり、学び直しや転職、長期休暇の取得など人生の選択肢がますます多様化すると予想しているのです。そんな中、経済産業省では、人生80年時代から20年増えた「人生100年時代」に対応するための「社会人基礎力」(ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力)を見直し、その普及啓発を推進していく方向を示しています。実際、人口減少・少子高齢化、とくに生産年齢人口が急速に減少する中で、活力ある健康長寿社会を構築し、高齢者の社会参加を促すとともに、若年世代への支援を強化することでその活力を引き出すことは不可欠です。国民一人ひとりが安心して暮らせる社会づくりを、みんなで考え、努力して目指さなければなりません。日本の健康長寿社会をこれまでもこれからも支え続けなければならないのが国民皆保険制度です。これは世界に誇れるすばらしい制度ですが、医療費の増大に歯止めがかからず、どのように負担していくかが今後の重要な課題になっています。従来の高齢者医療費負担額の割合を2割、3割とプラスする案が進みつつあっても、人口減少・少子高齢化の厳しい現状の中では、潤沢な保険料のキープは程遠いようです。現在、健診を受けていない人が2000万人以上いるといわれています。国をあげて積極的に健診の呼びかけをしても、一般的にはまだまだ受健する習慣が浸透していない現実があるようです。健診を受けて、まずは病気を予防することからスタートし、病気になれば早期発見、早期治療につなげることが何より大切です。この健診習慣が、年々増加している医療費の抑制にも確実につながっていくのです。日衛協は、検査を業とする団体として、健診の必要性・重要性を訴求し、健康な国民、健康な高齢者を増やし、健康長寿を全うできる社会づくりに貢献していかなければなりません。早めの検査の大切さ、定期的な検査の必要性、検査が担う役割などを、一人でも多くのみなさまに伝え、理解を深めていただく活動は責務になってきています。今年も、検査の必要性・重要性について理解を深めてもらうとともに、「確かな検査が確かな医療を支える」ことを真摯に伝えるために、北海道から九州までの各支部において、臨床検査普及月間大会が開催されています。開催概要については、11ページの表1に示しました。全国9支部での月間大会では、それぞれの支部においてディスカッションが重ねられ、地域色をプラスしながら、意義あるプログラムが組まれています。プログラムの主な内容は、検査の最新情日本衛生検査所協会は、1973年3月に「全国臨床検査所協会」として発足し、2023年3月、創立50周年を迎えました。医療制度が近代化する中、検査を業とする施設が胎動し、検査をするという立場で、国民医療に寄り添いながら歩み続けています。その「歩み」を、『創立50周年記念誌』として編纂しました。「写真で綴るヒストリー」「特別座談会~コロナ禍で何が始まり、何が変わったか」「50周年!日衛協の現在地、そしてこれから」などの内容となっています。人生100年時代を生き抜くための次なる医療制度の道は?全国9支部の月間大会では、検査の必要性・重要性を訴求する日衛協『創立50周年記念誌』を編纂!■LABO – 2024.11"MMHUD"MMHUD確かな医療を支確かな医療を支ええてて 9 SGQR@QXQR@QX
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