――金メダルを手にして、喜びを誰に伝えたかったですか?萱 数えきれないほどの多くの方たちにお世話になりました。先生方、応援してくれた日本のファン、もちろん妻や家族も……。「みなさんのおかげです」というのはこういうことだなと思いました。熱戦のあとの会場はすごい祝福モードで、現地のフランス人の大きな拍手もうれしかったです。――いつも一番近くで支えていた妻の星良さんも、現地で声援を送りました。精神面でも大きな支えになったのでは?萱 実は、妻も僕とは違った緊張をしていて、家族だからこそのプレッシャーもあるようです。演技するのは僕ですが、見守る側には応援するしかできないつらさがあり、金髪にしたのも金メダルへのゲン担ぎで、気持ちを落ち着かせるためだったと言っていました。彼女とは小学校、中学校の同級生で、大学時代に再会してつきあいを始め、東京オリンピックが終わってから結婚しました。彼女は体操をやっていないので、細かいことは話さず、家に帰れば普通にリフレッシュできました。独身のときは練習を終え家に帰っても、体操のことばかり考えて、何が何だかわからなくなったこともありました。考えすぎもよくないですね。結婚してオンとオフをきちんと分けることができ、精神的にもプラスになっています。――星良さんは、昨年から管理栄養士の資格をとるために大学に通われているとか。アスリートにとって食事は大切な要素ですからね。萱 やりたいことが見つかり、今は資格を取得しようと勉強中です。いろいろなプレッシャーはあると思いますが、強い心を持っていつも応援して支えてくれています。食事面でのサポートは大きな要素ですから、これからますます心強くなります。――少年時代からの大きな夢を達成しました。これからのプランは?萱 パリオリンピックが終わっていろいろ考えました。次大会からルールが変わり、新しい技に挑戦しますが、それも楽しいこと。4年後のロス大会での団体2連覇が新たな目標になりました。次の目標ができたので、自分の気持ちに素直になって頑張ろうと思っています。これから先はさらにきつい4年間になるのは覚悟の上ですが、現役は今しかできないので、可能性があるなら目指さない理由はないと思っています。お陰さまでケガはないので身体的には元気で、心もしっかり前を向いているので、応援してくれたたくさんの方に心からの感謝!新たな夢はロスオリンピックでの体操団体2連覇2024.11 – LABO■星良さんの手づくり料理は栄養満点でバランスも最高!ハッピーバースデー! 「妻の手づくりメニューが並びました」多くの人に祝福された結婚披露宴(2023年) 6
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