Labo_No.550
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親から娘への愛が込められた「鯖そうめん」かつては、皇室や朝廷に食物を献上する国(御み食国)である若狭から京都へ、多くの海産物などが運ばれていました。その道がいくつも存在し、代表的な物資が鯖であったことから「鯖街道」と呼ばれています。「鯖街道」の1つに敦賀地方からのルートがあり、滋賀県の湖北地域、湖西地域では鯖がよく手に入っていたようです。とくに湖北地域では、春になると農家に嫁いだ娘を気遣い、田植えの繁忙期に滋養豊富な焼鯖を嫁ぎ先へ贈る「五月見舞い」という風習が伝承されていきました。焼鯖は忙しいときに簡単に調理できる料理として現在でも重宝され、そのままけつくに軽く焼いて酢醤油で食べることもあるそうです。 くるのが「鯖そうめん」です。鍋に下味用の出汁と調味料を入れ、沸騰したところで焼鯖を入れて煮汁が半分程度になるまで煮込みますが、このとき、煮汁を鯖に回しかけるのがポイントです。煮たら鯖を皿に盛りつけ、煮汁は骨が入らないようこしておきます。次に、調味料を加えた煮汁に硬めにゆでたそうめんを入れて味をつけ、鯖と一緒に盛りつけて、煮汁をかけたらできあがり。て行われる「曳ひま山まつり」にふるまわれるなど、ハレの日に食されている郷土料理ですが、親から子へと継承されている家庭料理でもあります。その焼鯖とそうめんを炊き合わせてつ毎年4月に「長浜八幡宮」の祭礼としきや郷土料理もう一品!日野菜は太陽光が当たったところに赤い色素を生合成(生体内で有機物が合成されること)する性質をもつ出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、『ポプラディア情報館 郷土料理』(株式会社ポプラ社)●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。りんしょう犬さんスタンプ購入サイトみんなどんどん使ってネ〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行  1部105円(発行部数36,500部)甘辛醤油のたれがしっかり染み込んでいる「鯖そうめん」。鯖の風味を楽しみながらおかずとしても食べられる 日野菜はカブの一種で、葉に近い部分が赤紫色、土に埋まっている部分が白色で、長さは約30センチと細長いのが特徴です。独特の風味と辛み、苦みがあり、漬物として使われることが多い野菜です。葉を刻んで短冊切りにした根と一緒に酢に漬ける「桜漬け」、葉つきのまま下漬けして甘酢に漬け込む「えび漬け」、ぬかで漬けた「ひね漬け」など漬け方はさまざまです。 おもに10月から12月末に旬を迎える日野菜は、根にはでんぷんの消化酵素として働くアミラーゼや少量のビタミンを含み、葉の部分にはβカロテンやビタミンC、カルシウム、カリウムなどの栄養を豊富に含んでいます。医食同源滋賀県を色鮮やかな日ひのな野菜の漬物次世代に伝えたい!・・Memo・・信長と赤コンニャク近江八幡市の特産品である赤コンニャクは、昔この地を治めていた織田信長がコンニャクを赤く染めさせた、近江商人が発案した、など諸説あります。見た目は辛そうですが、三さんにさんかてつ二酸化鉄という食品添加物を少量使って赤く染めたものです。味は通常のコンニャクと変わらないといわれ、栄養成分としては鉄分を豊富に含んでいます。郷土料理麺鯖さばそうめん

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