Labo_No.550
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(運営管理の向上、関連事項の検討)(精度管理調査の実施・評価、関連事項の検討)災害等の有事の際の相互扶助の観点から、本部から各会員への情報伝達や、会員間の情報共有を行う会議体は非常に重要です。検査所の雇用状況、人材の長期雇用事例、検体集配車両等の無事故対策、新型コロナウイルス感染症の現状、大規模自然災害への対策(B C P)、診療報酬改定や各地域での課題等の幅広い議題について、各支部の運営管理委員会との緊密な連携のもと、情報共有をしながら、対応策の検討等を積極的に行っています。日衛協の組織においては、自然全国運営管理委員会では、衛生2020年初頭からの新型コロナウイルス感染症の急拡大に対して、当協会では厚生労働省等からの協力要請に基づき、各会員衛生検査所にPCR検査体制の拡充を要請し、行政検査においては一日当たり20万件を超える検査受託体制を構築しました。医療を支える検査の重要性・必要性と、それに携わる者の責務を、国民の皆様にお示しすることができたのではないかと考えています。また、臨床検査業界として、人材確保が喫緊の課題となっています。日本社会全体の人手不足は例外なく当業界にも押し寄せていますが、各地域の雇用状況を詳細に把握し、人材募集・長期雇用の好事例を全国で共有することで、人材の確保に努めているところです。医療を遅滞なく進めるために、検体の集荷の効率化など会員が一丸となって、この難局に立ち向かっています。測定結果が正しいものとなるように管理することを精度管理といいます。臨床検査の精度管理には、「いつでも(過去・現在・未来)」互換性のあるデータを患者・医師に返却するための内部精度管理と、「どこの施設とも」互換できるデータを返却するための外部精度管理調査があります。日衛協では1975年に設置された精度管理委員会が担当となり、外部精度管理調査や受験施設の評価、調査結果検討会を行っています。当協会が1973年の創立以来、「検査精度の維持・向上こそが登録衛生検査所の生命線である」という理念に基づき、根幹である「精度管理」、そしてそれを守る人材を育てる教育を重点事業として推進してきました。当協会の精度管理調査は、患者プール血清から作成した調査用検体の配布や、血液細胞形態学、微生物学項目の実施等、独自性をもって実施しています。また多くの会員検査所がP  CR検査を実施していたため、他の精度管理調査に先駆けて、2021年から新型コロナウイルス遺伝子検査の精度管理調査を実施しました。登録衛生検査所は、わが国で行われている臨床検査総数の約7割を担当しているといわれ当協会が実施する精度管理調査の成績は、日本の臨床検査の精度管理状況をそのまま反映していると考えられます。登録衛生検査所の精度管理・精度保証の充実は、国民の健康・福祉の向上に直結しているため、国民医療を支える事業として、今後も取り組んでまいります。全国運営管理委員会精度管理委員会健全な衛生検査所の運営管理とは?人材の確保が重要課題に衛生検査所の生命線である「精度管理」その維持・向上に尽力する2024.11 – LABO ■高木康委員長大堀春夫委員長18

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