報や日頃の研究成果を、それぞれの担当者が事例発表の形式で報告する学術研究発表会をはじめ、医療関係者や著名人・文化人による講演会、さらには医療行政や医療および臨床検査関連団体の代表に臨席いただいての記念式典などです。とくに各支部が力を注いでいる学術研究発表会は、業務と並行しながら取り組んだ研究を、担当チームの代表が発表するもので、検査の現状を提示し、今後の方向性を示唆する、意味のある興味深いプログラムになっています。 11月28日の日衛協と関東甲信越支部共催の大会では、記念講演の講師には、日本体育大学の教授として教鞭をとり、今なお現役のアーチェリー選手として活躍を続ける山本博氏をお迎えします。山本博氏は、ロサンゼルスオリンピック(1984年)で銅メダル、アテネオリンピック(2004年)で銀メダルを獲得し、現在は東京都体育会会長の要職にも就かれています。今回の講演テーマは「諦めないで生きる方法」です。講演では、今なお続く競技生活と、教育人としての経験をベースに、目標を達成するための絶対に諦めない思考方法を、伝えてくださる予定です。講演中には、取得されている博士号の研究テーマについてのお話も聞けるかもしれません。検査精度の維持・向上を図るために、例年、臨床検査普及月間の関連事業として実施されている「日衛協臨床検査精度管理調査」も、今年度で50回目を迎えます。今回の調査では、臨床化学・血液学・免疫血清学の各分野の48項目を対象に調査が行われました。2018年12月1日より医療法等の一部を改正する法律が施行され、精度管理義務の新設により、精度管理の厳正さが求められました。さらなる精度管理調査の成果が期待されます。日衛協では、臨床検査を身近なものとして受け止めていただくために、常日頃から広報・宣伝の企画立案をしていますが、とくに臨床検査普及月間中は、“より身近に”そして“わかりやすく”を掲げて推進しています。具体的には、臨床検査普及月間のキャンペーンポスターの掲示をはじめ、日衛協の活動状況をPRするための動画の制作、今回で25回目となるエッセイ『検査がくれたもの』の一般公募などです。「つないだ思いは検査のちからあなたが守る家族の絆」のスローガンを大きく配したキャンペーンポスター(写真1)は、今年も「ラボちゃん」「けんさ君」に登場してもらっています。コロナ禍を経験して痛切に感じた「つないでいかなければいけない真の思い」、そして何より大切にしなければならない「家族の絆」を、ハートを中心に置いて表現しました。これまで培ってきた確かな検査を、次なるステージへつなげていかなければという思いを込め、新しい検査の時代への第一歩を描きました。『検査がくれたもの』をテーマにした今年度の一般公募エッセイは、去る8月20日に締め切り、全国から140篇の作品が寄せられました。全作品を対象に、臨床検査との関連、読後の印象、文章構成と表現力の3点を評価基準として、選考機関の広報委員会による第1次、第2次の厳正な審査の結果、最優秀賞、優秀賞、努力賞各賞の入賞作品8篇を決定しました(表2)。選ばれた8作品は、2025年1月号より「ラボ」誌上において順次掲載していきます。確かな医療を支えるのが確かな検査です。今年も臨床検査月間大会を通して、検査の役割を広く啓発していきます。◆最優秀賞「夫からの贈り物」 ◆優秀賞「私の腎臓」 「患者を見つめるまなざし」岡 桃子(愛知県) ◆努力賞「検査用紙は娘へのご褒美シート」「石灰岩を穿つ」 「虫の知らせと一本の電話」磯田和美(大阪府)「検査が教えてくれたもの」「検査がくれた幸運」 浦 直子(神奈川県)高橋由梨(東京都)杉井智子(茨城県)池永恵子(和歌山県)池田洋一(神奈川県)下田知行(東京都)(敬称略)「広報活動」推進のテーマは“臨床検査をより身近にする” 2024.11 – LABO■第25回一般公募エッセイ『検査がくれたもの』選考結果(表2)10
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