Labo_No.549
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熱した瓦の上に茶そばと具をのせ温かいめんつゆで食べる山口県を代表するソウルフードが「瓦そば」。昭和36年(1961年)、下関市にある川かな棚温泉で、現在「瓦そば」の専門店を営む店が旅館業をしていた当時、“何か川棚温泉に名物を”と考えたのが始まりです。そのヒントは、1877年(明治10年)に起きた西南戦争のときに、熊本城を囲んだ西郷隆盛率いる軍の兵士たちが、戦いの合間に瓦を熱して野草や肉を焼いて食べたというエピソードからと伝えられます。川棚温泉が湯治場として賑わうなか、当時武家のみに許されていた瓦と土塀の使用が治安を守るために民家にも許され、瓦は生活に欠かせないものとなり、瓦わだの上でいろいろなものを焼いて食べたことから「瓦そば」が生まれたといいます。や錦糸卵、牛肉などをのせて提供する料理で、温かいめんつゆでいただきます。レモンともみじおろしが添えられることが多く、味の変化を楽しむことができ、現在は季節ごとにのせる具に変化をもたせることもあるようです。「瓦そば」発祥の旅館の廃業にともない一度は衰退しましたが、もう一度食べたいという声が上がり、専門店が開業し、旅館や飲食店でも食すことができるようになりました。ホットプレートでも手軽につくることができ、見栄えもいいため、家庭でも人が集まるシーンで食されることもあります。熱々の瓦の上に、ゆでて炒めた茶そば郷土料理もう一品!祝い事のときは紅白、不祝儀のときは緑や白の白玉団子を入れる●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、『ポプラディア情報館 郷土料理』(株式会社ポプラ社)りんしょう犬さんスタンプ購入サイト〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行  1部85円(発行部数36,500部)家庭料理としてつくられるほか、川棚温泉エリアの旅館や飲食店で食すことができる「瓦そば」 「いとこ煮」と呼ばれる郷土料理は全国各地にあります。山口県内で広く食されてきた「いとこ煮」は、甘く味つけした小豆と白玉団子を使うのは共通しつつ、地域ごとに異なる特色があるのです。代表格は萩地域などでつくられる冷たい汁物仕立ての「萩風いとこ煮」。昆布などの出汁を砂糖や醤油、塩などで調えた澄んだ汁に、小豆と白玉団子、シイタケ、かまぼこなどが入っています。 名前の由来は、具材を追い追い(甥と甥=いとこ)入れていくから、いとこをはじめ親戚が集まるときに食べるから、など諸説あります。みんなどんどん使ってネ医食同源山口県を次世代に伝えたい!白玉団子が入った行事食「いとこ煮」・・Memo・・福を招くめでたい魚「フグ」山口県の特産品といえば、高級魚のフグ。県内では「福を招くめでたい魚」の意味をかけて「ふく」と呼んでいます。とくに有名な漁場は下関地域や萩地域で、フグ漁で主流になっている延はえなわりょう縄漁は山口県で誕生した漁法です。天然のトラフグは9~3月と漁期が限定され、冬の味覚として国内外を問わず多くの人に愛されています。瓦そば郷土料理麺

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