Labo_No.548
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AAいとたっりも知A7■ LABO – 2024.09参考文献:「アレルギー総合ガイドライン2022」(日本アレルギー学会)、「皮膚テストの手引き」(日本アレルギー学会)、「平成23年リウマチ・アレルギー対策委員会報告書」(厚生科学審議会疾病対策部会、リウマチ・アレルギー対策委員会)、「レジデントのためのアレルギー疾患診療マニュアル」(岡田正人著、医学書院)、一般社団法人 日本アレルギー学会HPます。どちらも保険適用されていますが、舌下免疫療法は、医療機関によって異なり、1か月あたり2,000~3,000円(3割負担の場合)で行うことができます。*日本アレルギー学会ポータルサイト(https://allergyportal.jp)都道府県アレルギー疾患医療拠点病院やアレルギー専⾨医を検索できます。拠点病院ではアレルギー疾患に関する電話相談も行っています。詳しくは各病院のウェブサイトでご確認ください。食物アレルギーの発症予防を目的として離乳食の開始を遅らせることは、おすすめできません。過去には、食物アレルギーになりやすい食品の摂取開始を遅らせることが望ましいと考えられた時期がありましたが、離乳食の開始や特定の食物の摂取開始を遅らせれば食物アレルギーの予防効果があるということは証明されておらず、科学的根拠はないとされています。遅らせず、生後5~6か月から離乳食を開始するのが望ましいです。ただ、湿疹がある子どもでは、食物アレルギーの発症リスクが高いことが知られています。この場合もむやみに摂取開始を遅らせるのではなく、医療機関を受診して皮膚症状の改善を行い、離乳食の開始について相談しましょう。また、子どもの食物アレルギーやぜん息などのアレルギー疾患予防のために、妊娠・授乳中のおかあさんが特定の食品を避けることに関する効果も証明されていません。そればかりか、過度な食事制限は、胎児や乳児の発育に悪影響を及ぼす可能性があること、妊娠中に特定の食物を過剰に摂取することは、生まれてくる子どもの食物アレルギーの発症を促進する可能性があることも指摘されています。特定の食品を避けたり、過剰に摂取したりすることなく、バランスのよい食事を摂ることが大切です。 ぜん息の可能性はありますが、副鼻腔炎(黄色や緑色のねばっとした鼻汁が出る)や胃食道逆流(食後に動くと咳がひどくなる)などの病気でも咳が長引くことがあります。医師の診察を受けてください。 ぜん息は、症状がなくても気道にアレルギー性の炎症ができています。炎症を治療しないでそのままにしておくと、何度もぜん息の発作が起きてしまいます。発作は、夜間や早朝に起こりやすいという特徴があります。また、かぜ・インフルエンザなどの感染症にかかったとき、季節の変わり目、疲労が蓄積しているとき、タバコ・線香・花火などの煙、強い臭いなどの刺激に触れたときに起こりやすくなります。 ぜん息の治療でいちばん大切なことは、気道の炎症をしずめるための薬(長期管理薬)を毎日きちんと服用し続けることです。咳が出るときだけ発作止めの薬(短時間作用性β2刺激薬などの気管支拡張薬)を使い、出なくなったからと自己判断で長期管理薬をやめてしまうと、ぜん息を悪化させてしまいます。医師の指導のもと、積極的に治療に取り組みましょう。 近年、アレルギーの根治を目指して行われているのが「アレルゲン免疫療法」です。患者さんのアレルギーの原因となっているアレルゲンの薬を、少量から徐々に量を増やし繰り返し投与することにより、身体をアレルゲンに慣らし症状をやわらげる治療法です。根本的な体質改善(長期寛解・治癒)も期待でき、現在、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎に対して治療が行われています。 定期的に注射を行う皮下免疫療法と、舌の下(裏側)へ毎日薬を投与する舌下免疫療法の2つの方法があります。即効性はありませんから、3~5年の治療期間が必要です。まれにアナフィラキシーが起こることがあるため、専門の資格をもつ医師の指導のもとでの治療となり成人ぜん息の可能性があります。きちんと医師の診断を受けましょう。「アレルゲン免疫療法」が始まっています。興味のある方は専門の医療機関に問い合わせを!かぜをひくたび咳が長引きます。ぜん息の心配はありますか?毎年毎年、春がつらい!スギ花粉症は根治できませんか?科学的根拠はありません。過去の定説や風評に惑わされないで!離乳食の開始を遅らせたほうが、食物アレルギーにならない?Q1Q2Q3アレルギー疾患Q&A

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