Labo_No.548
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S*S*にだけアレルギー反応を起こしていても、長年の経過のなかで、反応を起こすアレルゲンが増えていくこともみられます。さらに、一つのアレルゲンが複数のアレルギー疾患を発症することも見逃せません。また、生まれつきアレルギー反応を起こしやすい体質が関わっていると、いったん寛解しても再発を繰り返すことがしばしばみられます。アレルギー疾患は、長期にわたるQOL(生活の質)を守ることを考えて、全身的・包括的に管理する視点が求められます。その成否を握るカギが、病因アレルゲンの正確な特定なのです。アレルゲン検査の研究・開発が進んでいます。日本アレルギー学会の『アレルギー総合ガイドライン2022』でも、新たに第1章として「アレルゲン検査」の新章を設け、診療科や年齢、性別を超えて横断的に出現するアレルギー疾患に対して、アレルゲン特定の大切さを解説しています。同ガイドラインでは、Ⅰ型アレルギーのアレルゲンを特定する代表的な検査として、「血液検査(血中アレルゲン特異的IgE抗体検査)」「好塩基球活性化試験」「皮膚テスト(プリックテスト、スクラッチテスト、皮内テスト)」を推奨。それぞれの検査に長所・短所があるので、目的に応じて適切な検査方法を選び、組み合わせて診断の精度を上げるようにすすめています。さまざまなアレルギー物質のIgE抗体が血液中にあるかを調べる検査です。一般的な測定方法は、アレルゲンをプラスチックプレート、ペーパーディスクなどのアレルゲン吸着物質に結合させ、それと結合した血液中の特異的IgE抗体の量を測定するものです(図表2)。現在、保険適用されている特異的IgE抗体検査では、約200種類以上のアレルゲンに対する特異的IgE抗体を測定することができます。結果は、それぞれのアレルゲンに対するIgE抗体の測定値とクラスで表示されます(図表3)。クラスは0~6の7段階で表記され、クラス0が陰性、クラス1が偽陽性、クラス2~6が陽性と判断されます。クラスが高いほうがIgE抗体の量が多いことを示しますが、クラスが高いからといって必ずしもアレルギー症状があらわれるわけではありません。また、その値は症状の強さを示すものでもありません。とくに食物アレルゲンでは、特異的IgE抗体検査の結果がある程度高くても、その食物(アレルゲン)を食べてもアレルギー症状が出ない人もよくみられます。特異的IgE検査はあくまで血液中に特異的IgE抗体があるかどうかを調べる検査で、医師がアレルギーの診断を行う際の目安の一つとして、症状が誘発された状況な■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■*S*S*S6666613********* ************************************IgG********■ LABO – 2024.09IgGIgEIgGIgEIgGIgEIgGIgGIgGIgEIgGIgGIgEIgGIgEIgGIgEIgGIgEIgGIgGIgEIgGIgEIgGIgEIgGIgEIgGSSSSS5IgEIgGIgEIgGIgGIgEIgGIgEIgGIgGIgEIgEIgG検査項目非特異的IgE アトピー鑑別試験33000↑ (+) アレルゲン名A:ハウスダスト6A:ヤケヒョウヒダニA:スギA:ヒノキA:ネコ上皮A:イヌ上皮A:カンジダ結果100以上 ↑100以上 ↑100以上 ↑100以上 ↑100以上 ↑0.60 ↑13.0 ↑結果単位IU/mL クラス弱←中→強基準値250以下 (−) 図表3 特異的IgE抗体検査の報告書の例図表2 血中アレルゲン特異的IgE抗体の測定原理プラスチックプレートやペIgGIgEIgGーパーディスクなどにアレルゲンを吸着する患者の血清を加える。アレIgGIgEIgGIgGルゲンに反応するIgE抗体(IgG抗体)があれば結合する酵素などで標識をつけた抗IgE抗体(二次抗体:一次IgG抗体に反応する抗体)を加える。患者にIgE抗体があれば結合する酵素などの基質を加える。酵素反応の生成物量を計測し、特異的IgE抗体価を数値化する

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