Labo_No.548
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ら身を守るための「免疫」という仕組みが備わっています。この免疫の働きが、現代文明による環境やライフサイクルの変化などによって異常を起こし、くしゃみ、発疹、呼吸困難などのさまざまな症状を起こしてしまう状態が「アレルギー反応」です。アレルギー反応には、Ⅰ~Ⅳ型の4つのパターンがあり、アレルギー性鼻炎、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、結膜炎、気管支ぜん息、じんましん、アナフィラキシーなどがⅠ型アレルギーに分類されます。Ⅰ型アレルギーは、アレルゲン(アレルギーを引き起こす成分)が体内に入って比較的短時間(直後から2時間以内)に症状があらわれるので「即時型アレルギー」ともいわれます。Ⅰ型アレルギーの場合、侵入したアレルゲンを攻撃・排除しようと免疫グロブリンと呼ばれるタンパク質の一種のIgE抗体が体内につくり出されます。アレルギーの患者さんでは、鶏卵やスギ花粉、ダニ、ハチ毒など、それぞれのアレルゲンに対して固有のIgE抗体(特異的IgE抗体)がつくられます。つくり出されたIgE抗体は、皮膚や粘膜の下にあるマスト細胞の表面や、血液中の白血球の一種である好塩基球の表面にくっつき、アレルゲンを待ち受けます。そして、再びアレルゲンが侵入して、待ち受けているIgE抗体と結合すると、マスト細胞が活性化して、ヒスタミンやセロトニンなどの炎症性の化学物質が過剰に放出されます。ヒスタミンやセロトニンはかゆみの原因となる物質であり、血管の透過性を上げ、粘液などの滲出液(毛細血管から組織内にもれ出た血けう漿成分からなる液)を出させる働きや、浮腫などの身体の一部を腫れさせる働きがあります。その結果、アレルギー反応としてアレルギー性鼻炎やじんましんなどの症状があらわれます(図表1)。「2回目にハチに刺されると危ない」と聞いたことがある人も多いでしょう。これは、はじめてハチに刺されたときにはIgE抗体が存在していないので、アレルギー反応は生じません。ところが、その際にハチ毒のIgE抗体がつくられると、マスト細胞にハチ毒のIgE抗体が結合してスタンバイ状態になり、2回目にハチに刺されるとマスト細胞からアレルギーを引き起こす物質が放出されるために、重篤なアレルギー症状が引き起こされることがあるからなのです。アレルギー疾患では、原因となるアレルゲンを食べたり、吸い込んだり、触れたりし続けることで、重症化、ひいては治療の困難化をきたすことがわかっています。また、はじめは単一のアレルゲンっしょ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■42024.09 – LABO ■図表1 アレルギーの免疫反応1回目に刺される2回目に刺されるハチ毒に対するIgE抗体がつくられるハチ毒IgE抗体のついたマスト細胞にハチ毒が結合するとヒスタミンなどの物質が放出されるIgE抗体IgE抗体マスト細胞にIgE抗体が結合しスタンバイ状態になるアレルギー症状が起こるマスト細胞

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