AAいとたっりも知A7■ LABO – 2024.08参考文献:「緑内障診療ガイドライン第5版」日本緑内障学会編、「目の病気がよくわかる本」(大鹿哲郎監修、講談社)、「ココが知りたかった!目の病気のメカニズム」(飯島裕幸著、技術評論社)、「目の健康を守る本」(井上賢治著、幻冬舎)、「眼の成人病」(坂西良彦著、現代書林)、「大人の健康白内障・緑内障」(井上賢治監修、オレンジページ)、公益社団法人 日本眼科医会HP「緑内障になると瞳が青く見える」などといわれることがありますが、見た目で判断はできません。 まず、開放隅角緑内障では、病気がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。正常眼圧緑内障が多いことに加え、20mmHgを少し超える程度の軽度の眼圧上昇では、とくに異常を自覚することがないからです。また、視野が欠けてきても、脳は両目で捉えた像の見えない部分を補正して一つの像として認識するため、なかなか自覚症状として気づきにくいといえます。初期から中期の視野障害は視野検査では検出されていても、患者さんが視野の欠けを自覚することはまれです。 次に、閉塞隅角緑内障では発作を起こす前は、通常、眼圧はほぼ正常なことが多いので自覚症状はありません。しかし、急性発作を起こすと眼圧が急激に(通常40~60mmHg程度まで)上昇するため、見え方の異常のほかに強い頭痛や目の痛みをともないます。これは非常に危険な状態ですので、そうなる前にしっかり対処する必要があります。 薬物療法は緑内障治療の基本となるもので、毎日きちんと点眼を続けていれば視神経への負担が大きく減らせます。点眼治療は、患者さんが自ら行う治療ですから、患者頼り。点眼を続けなければ、治療は成功しません。 問題はきちんと続けられるかどうかです。緑内障の目薬は、しみる、充血する、皮膚の表面が荒れるなど、使用感がよいとはいえないものが多いです。目薬には必ず副作用があります。眼圧を下げる成分による副作用と、有効成分を溶かす液体による副作用です。ほとんどに共通する副作用は充血ですが、たいていの方が受け入れられます。しかし、目薬で、喘息や息切れ、動悸、めまいなどの症状を起こすこともあります。薬剤特有の副作用があるので、何か困ったら主治医や薬剤師に相談してください。 さし方は1回1滴を厳守! 上手くいかない場合も、入れば十分ですから、さしすぎないようにしてください。異なる目薬は5分以上あけてさしてください。点眼後はまばたきせずに、1~2分目をつぶる 目薬の効果は長くても24時間程度しか続きません。万一、さし忘れに気づいたら、気づいた時点で点眼するのが原則ですが、薬の種類によって対応が異なることもあるので、事前に主治医に確認しておきましょう。「見える目を守るための習慣」として欠かさず続けてください。嗜好品や運動など、とくに問題はありません。また、よく「目を使ってよいのですか?」と聞かれますが、目を使っても緑内障は悪化しません。今まで通りでよいのです。緑内障と診断されると、人生設計を変えるぐらい落ち込んでしまう方がいますが、かなりの高眼圧や末期の方以外は、じっくり治療に専念し、仕事や生活パターンを変えず、あせらずに過ごすことが重要です。緑内障は治る病気ではなく、治療は進行を遅らせて、生涯にわたり視機能を保つようにするのが目的です。とにかく、点眼治療の場合はきちんと点眼し続けて、検査を受け続けること、手術をしたあとでも定期検査を継続することが大切です。検査や治療から脱落しないように、よく病気と治療法のことを知り、つき合っていくことが重要です。目頭のあたりに1滴たらす2種類以上さすときは、 5分以上間隔をあける片手を握って下まぶたを引き、その手の上に容器をもった手を置くあふれた分はふきとるほとんど自覚症状はありません。 健診などで発見されることが大半です。点眼治療は最も重要な治療法です。担当医の指導に従い、忘れずに長く続けましょう。早く緑内障に気づくために特徴的な自覚症状はありますか?目薬が苦手です。上手な使い方を教えてください。定期検査を続け、点眼を怠らないことそれ以外は、とくに問題ありません。目の使い方など日常生活で注意することは?Q1Q2Q3緑 内 障Q&A
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