【開放隅角緑内障】 【閉塞隅角緑内障】液体で、角膜や水晶体に栄養や酸素を供給するとともに、目を球形に保っているのです。だから、つくられる房水の量が増えたり、流れ出る量が減ったりすると眼圧は上がり、逆の場合には眼圧は下がります。眼圧は10~ 20mm Hgが正常範囲とされ、 20 mm Hgを大きく超えるような状態が続くと、視神経が損傷される可能性が高くなります(図表1)。しかし、眼圧が高くない人にも緑内障が少なくないことから、眼圧以外にも緑内障の原因があると考えられています。ほかの原因としては、「視神経が弱い」、「血流が少ない」、「視神経に毒として働く物質が存在する」、「免疫の異常」などいろいろ考えられていますが、どれも確実な証拠はみつかっていません。緑内障は、原因や発症のしかたなどによって、いくつかのタイプに分けられます(図表2)。タイプによって治療方針などが大きく異なります。圧倒的に多いのが、先立つ病気や先天的な要因など、ほかに原因がない原発緑内障で、加齢とともに起きやすくなるタイプです。さらに、原発緑内障は、房水の出口である隅角が狭い「閉塞隅角緑内障」と、隅角が広い「開放隅角緑内障」に分けられます。一般に多い緑内障です。開放隅角緑内障は、眼圧上昇は軽度で、慢性緑内障であることがほとんどです。視野障害の進行なども通常はゆっくりです。眼圧が正常レベル( 20 mm Hg以下)である「正常眼圧緑内障」も、開放隅角緑内障に含まれます。房水の出口である隅角が、もともと狭かったり、加齢変化などによって狭まったりしたために眼圧が上昇する緑内障です。中高年の遠視の女性に多くみられます。房水の排出口が閉塞するために、急に眼圧が上昇して、眼が痛くなってかすみ、強い頭痛や吐き気がするような、急性緑内障発作になってみつかることがあります。治療が遅れると短期間で失明に至ることもあるので、緊急の対応が必要となります。一方、続発緑内障の原因としては、目に関するものとしてぶどう膜炎、手術後、ケガなどがあります。目以外の原因には、糖尿病、脳疾患などのほか、ステロイド点眼薬などの薬の副作用で眼圧が上がることもあります。緑内障の診断は、眼圧検査、眼底検査、眼圧が正常範囲の緑内障も!知っておきたい緑内障のタイプ「タイプ」や「病期」を調べる緑内障の検査と診断 4出典: 日本緑内障学会「日本緑内障学会多治見疫学調査報告書2012」2024.08 – LABO ■排出された房水は毛細血管などに吸収されていくシュレム管線維柱帯隅角房水の流れ前房水晶体角膜毛様体房水の流れが悪くなると、眼圧が上がり、視神経を圧迫する眼圧視神経図表2 緑内障のタイプ別割合(40歳以上)続発緑内障 10%原発閉塞隅角緑内障 12%原発開放隅角緑内障(狭義) 6%正常眼圧緑内障 72%図表1 緑内障のメカニズム
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