Labo_No.546
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北から南から鵜縄をつけ、水中で魚を飲み込ませ、引き上げてから吐かせるものです。ライトアップされた錦帯橋の下を流れる錦川の流れに乗って何■もの小舟が鵜匠を乗せて進み、赤々と燃える■かび火に照らされた川面に、鵜を操る鵜匠と、鮎を追う鵜の姿が浮かび上がります。鵜匠と鵜が一体となって鮎漁を繰り広げる光景は圧巻。古の時代にタイムスリップしたような幽玄の世界を感じることができます。鵜飼は日本では古くから行われ、朝廷や幕府などの保護を受けて続いてきました。錦帯橋での鵜飼は、約400年前、寛永年間(江戸時代初期)の記録が残っており、現在行われている「錦帯橋のう飼」は、昔ながらの漁法と装いをできるかぎり再現したものです。その醍醐味を名勝・錦帯橋の姿とともに堪能できるのが鵜飼遊覧で、遊覧船に乗り、手が届くほど近くで繰り広げられる古式鮎漁を観賞できます。っかわひろよし清流・錦川に架かる錦帯橋は日本を代表する木造橋で、国の名勝に指定されています。1673年に岩国三代藩主の吉き川広嘉によって架けられ、その後何度かの流出・架け替えを経て、2004年に装いを新たに完成。訪れる人を魅了し続けています。錦帯橋周辺では、春は桜、夏は鵜飼や花火の夜景、秋は紅葉、冬は雪化粧と、四季をとおして色彩豊かな景観が楽しめます。夏の風物詩となっているのが「錦帯橋のう飼」で、毎年鮎漁が解禁となる6月から行われます。鵜飼は世界でも珍しい漁法で、鵜うう匠が鵜の頸くにしょがり中国支部より5連木造のアーチ橋「錦帯橋」を背景に行われる「錦帯橋のう飼」from North to South17■ LABO – 2024.07①①②②③③①「錦帯橋のう飼」では、幻想的で神秘的な光景が楽しめる、②5連のアーチからなる「錦帯橋」は長さ193.3メートル、幅5.0メートル、③「木組み工法」で造られている「錦帯橋」山陽自動車道山陽新幹線岩国IC錦川西岩国駅新岩国駅川西駅JR岩徳線JR山陽本線錦帯橋のう飼岩国駅今津川岩国錦帯橋空港島根県広島県錦帯橋のう飼広島市呉市山口市岩国市山口県松山市愛媛県ジェロントロジーは1930年代以降おもにアメリカを中心に発展し、研究や教育が進められています。日本では1960年代以降、日本老年学会を中心として学会での活動が行われてきました。ジェロントロジーは、老年あるいは老化を共通の研究課題ととらえ、医学、生物学、心理学、社会学などの各分野から老年期を多面的に解明していくとともに、老年期におけるさまざまな問題に総合的に対処するために、加齢や高齢化を科学する学問です。しかし、身体的・肉体的な問題をはじめ、精神的・心び ・バスで約15分 JR山陽本線岩国駅からタクシーで約15分・   バスで約20分飛行機:岩国錦帯橋空港からタクシーで約20分●錦帯橋のう飼山口県岩国市岩国アクセス(錦帯橋のう飼乗船場まで)車:山陽自動車道岩国ICから約10分電車:山陽新幹線新岩国駅からタクシーで約10分理的問題、社会的・文化的問題のいずれの観点からみても個人的差異は大きく、加えて地域的な特異性もあり、画一的に論じることは困難で、これがジェロントロジーの難しさといえます。近年は、衰退というネガティブな側面ばかりでなく、老年期を“人間の生に伴う常態”として、ポジティブな側面をとらえるという認識のもとに展開するといった取り組みが期待されています。ジェロントロジーを学ぶことは、高齢期あるいは高齢社会のことを正しく知ることにつながります。また、人生100年時代をどう生きるかは、一個人としても社会全体としても大きな関心事であり、今後ジェロントロジー研究の重要性はより高まっていくと思われます。ジェロントロジーを理解することで、将来への不安を小さくし、楽しく歳を重ねることができるのではないでしょうか。気になるコトバ【 ジェロントロジー 】―人生100年時代をどう生きるかジェロントロジー(Gerontology)は、ギリシャ語のgeronを語源とする「geront(o)」(老齢)に学問を意味する「logy」が合成されたものです。1903年にフランス・パスツール研究所のメチニコフ博士が命名したとされ、日本では「老年学」「加齢学」などと呼ばれます。

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