Labo_No.546
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読んでみた一冊『夢を叶えるために脳はある』――「私という現象」、高校生と脳を語り尽くす い 令和6年度定時総会の記念講演の講師を務めていただいた池谷裕二氏。池谷氏の最新刊が、600ページを優に超える大ボリュームの、高校生への脳講義シリーズ『夢を叶えるために脳はある』です。脳研究者で東京大学薬学部教授の池谷氏が、高校生10名に行った全3回の連続講義を下地に書き上げた、「いま一番思い入れがあって、一番好きな本」と氏自らが語る一冊です。なぜ脳は存在するのか、なぜ私たちはこんなに大きな脳を持ってしまったのか、なぜ時間は存在するのか、人工知能にとって人間とは何か、私とは何か――。これらに対する答えが、きっとどこかに隠れているはず!そんな思いで読み進めていくうち、特別な知識などないのに、なんだかずいぶん「脳」への理解が深まったような気になってくるから不思議です。「物理学の四大方程式」といわれる専門的な数式を用いながらの講義もあり、物理学や科学の知識が豊富な〝上級者〟にも読み応え十分です。生徒たちは「えーっ‼」「すげえ」「おおっ!うですね」(本文引用)など、池谷先生の講義に驚いたり納得したり。そして「人工知能によってヒトを進化させることが、科学の進化につながる」(本文引用)といった鋭い意見も。感性豊かな高校生が知識を吸収する早さに驚かされます。「私たちが自分の生き方に対して問うべきは『人生にどんな意味があるか』ではなく、『どんな意味のある人生にしたいか』です」(「おわりに」引用)とあるように、長い講義を〝読んだ〟あと、この先の人生をどう生きていこうか――。自分自身に問いかけてみようと思う一冊です。なるほど」「そ15■ LABO – 2024.07 一般社団法人日本衛生検査所協会(日衛協)は、血液や尿検査をはじめとする検体検査を専門に行う登録衛生検査所が加盟する一般社団法人です。当協会では、医療に欠かせない臨床検査の意義と重要性をアピールするとともに、健康な暮らしを守る臨床検査の役割を広く国民とともに考えるための広報活動を行っています。その一環として第25回目となるエッセイ作品の一般公募を下記のテーマで行います。 全国からの多くのご応募をお待ちしています。●テーマ 『検査がくれたもの』●応募要領 医療機関で私たちが受ける臨床検査には、血液検査や尿検査をはじめとする検体検査のほか、画像診断のための検査などさまざまな種類があります。これらの臨床検査にまつわる体験や心に残る思い出をもとにしたエッセイ作品を募集します。 例えば、臨床検査を受けてよかったと思えたことや臨床検査を通じて知った健康のありがたさ、家族や友人の大切さ、あるいは臨床検査による健康管理や病気予防の事例など、臨床検査に関わる事柄をもとにまとめてください。どなたでも応募できますが、出品作については未発表作品に限ります。 作品の表紙に題名、住所、氏名(ペンネーム不可)、年齢、職業、連絡先を明記のうえ右記の応募先までE-mail、郵送、またはFAXにてお送りください。池谷裕二 著講談社 定価(本体2,200円+税)●作品について 応募作品は1200字以内にまとめてください。●応募締切令和6年8月20日(火)=当日消印有効=●賞金 最優秀賞1編=10万円、優秀賞2編=各5万円、    努力賞5編=各1万円●発表 選考結果は日衛協協会誌『ラボ』に掲載するほか、入賞    者に通知します。また、最優秀賞受賞者は11月28日    (木)に開催予定の授賞式にご招待します。●著作権等 応募作品の返却は行いません。また、作品の著作権は日衛協に帰属するものとし、入賞作品ならびに氏名等については協会誌『ラボ』のほか、日衛協が発刊するエッセイ集等の出版物やウェブサイト上に掲載します。授賞式の模様も『ラボ』誌上に掲載します。●応募先 〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28                  K.I.S飯田橋2階     一般社団法人日本衛生検査所協会       エッセイ『検査がくれたもの』公募係     E-mail:info@jrcla.or.jp     FAX:03(5805)5252book 第25回 エッセイ一般公募のお知らせ

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