介護給付費の大幅な増加と介護業界の人材不足が問題に407500020介護保険制度の導入から24年が経過し、状況は大きく変化しました。まず高齢化の加速です。２０２２年の平均寿命は、男性81歳、女性87歳となり、２０００年と比べると男性で3歳、女性で2歳延びています。平均寿命は、今後も延びる余地があるといわれています。また、日本の総人口は減少傾向にある中で高齢化率は上昇し、２０２０年には65歳以上が全人口の28・６％に。団塊ジュニア世代が65歳以上になる２０４０年には、高齢化率が約％になると推計されています。さらに少子化も深刻化しています。２０００年には約１１９万人だった新生児数は２０２３年には約こうした中で要介護・要支援の認定者の数が増え、２０００年の２１８万人から２０２３年12月末には708・1万人と3倍以上になりました。65歳以上でみると、認定者数の割合は約19％。それに伴って介護給付費は２０００年には３・６兆円でしたが、２０１８年以降は10兆円、4を超え倍にふくらんでいます。一方で介護業界における人材不足も深刻な問題になっています。求職者1人に対して何件の求人があるかを示す「有効求人倍率」が、ほかの職種に比べて介護職は高く、２０２２年は３・71倍でした。特に訪問介護サービスを支えるホームヘルパー（訪問介護員）不足が著しく、厚生労働省の報告（２０２０年度）では、ホームヘルパーの求人数は求職者数の約15倍（有効求人倍率）となっています（図表３）。国は、①介護職員の処遇改善、②介護職の魅力向上、③外国人人材の受け入れ環境整備など、総合的な介護人材の確保に取り組んでいます。２０２５年には約２４３万人、２０４０年には約２８０万人の介護職員が必要であると推計されています。1312,00010,0008,0006,0004,0002,0002.001.681.380.921.001.022005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 （年）資料：厚生労働省「職業安定業務統計」12.111.56.34.95.35.7■ LABO – 2024.079,9219,4309,0088,4112,5532,8433,0122,9796,7447,2126,04711.210.85,0175,51737616430910733813943418975歳以上65〜74歳2.311.581.741.481.310.840.720.440.480.59有効求人倍率（全職業）高齢化率（65歳以上人口割合）（平成29年推計）8,62217.420.214.665歳以上を15〜64歳人口で支える割合8.69.112.19.87.110.37.97.46.67764714.85.88925974812,10512,36112,55712,69312,77712,80612,70912,61512,55012,254132,0011,8471,7521,6801,5951,5031,478(11.8%)332311,70611,1942,2492,60310,4672,7512,7222,5158,4098,10323.08,7168,5908,2517,8837,5811,4071,5173.32.81,1601,4071,3013.99006993661,109717516224602284実績値推計値総人口32.831.230.026.628.628.92.11.92.32.11.91.79811,9131,40711,5221,3211,2467,4507,1706,8756,4945,9785,5847,7357,509(59.4%)1,7421,7521,7541,4971,4281,5221,6811,6431,4241,2581,1541,133(14.0%)1,867(14.9%)1,8601,6272,1802,2882,26015〜64歳０〜14歳3.903.503.022.592.221.821.351.451.221.080.970.83有効求人倍率（介護関係職種）11,0929,7441,0771,0129,2849518,8088985,2755,0284,7934,5292,2392,2772,4172,4462,3872,24836.810,64237.738.038.138.410,19235.31,1941,1381.41.41.41.41.41.3(%)45.040.035.030.025.020.015.010.05.00.01950 1955 1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2021 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2055 2060 2065（年）不詳4.203.993.643.711.451.081.031.1635・376万人にまで減少しています。図表２ 高齢化の推移と将来推計(万人)14,000図表3 有効求人倍率（介護関係職種）の推移(倍)4.504.003.503.002.502.001.501.000.500.00Medical Trendメディカル・トレンド
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