Labo_No.545
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つなぎに布ふ海の苔りを使用した滑らかでコシの強いそば郷土料理もう一品!ぢやを「へぎそば」は、新潟県の魚沼・十日町地方の織物文化とそばの食文化が融合して生まれた郷土料理です。江戸時代に天領として栄えた小お千谷は織物のまちとして知られ、江戸や大阪の商人が行き来する裕福な地域でした。祝い事があると各家でそばを打ち客人にふるまう風習があり、創意工夫を重ねるうちに織物に使われる布海苔という海藻をつなぎに用いたところ、とても喉ごしのよいそばができ上がり、これがへぎそばの始まりと伝えられます。一般的にそば粉のつなぎには小麦粉をはじめ山芋、卵、海藻などが使われますが、小千谷周辺では小麦が生産されていなかったため、布海苔を使うようになったのです。板(スギやヒノキを薄く削った板)でつくった四角い器に並べて出すので「へぎそば」と呼ばれ、織物をするときに糸を丸めるように、ひと口ぶんずつが波型に並べられています。そばを水から上げるときにひとつかみ取って、手を振るようにして盛りつける動作から「手振りそば」とも呼ばれます。布海苔が入ることでツルツル食感と弾力のあるコシが生まれる「へぎそば」。薬味は刻みネギやゴマ、からしなどで、からしはつゆには溶かずにそばの上に少量のせて食します。そばをゆでて水にさらしたあと、剥へぎりんしょう犬さんスタンプ購入サイトみんなどんどん使ってネ 新潟県南部の妙高市に伝わる「かんずり」は、大寒(1月20日前後)ごろに仕込まれることから“寒造里”とも書く薬味です。塩漬けにした唐辛子を一度雪にさらして天日干しし、塩、米糀こうじ、柚子などを混ぜて発酵させてつくります。寒さが厳しいこの地域では冷えきったからだを温めるために食べていたそうです。 現在は、地域の伝統食にとどまらず広く親しまれ、県内の各家庭や店舗で利用されています。鍋やラーメン、パスタに加えたり、刺身に添えたり、ディップソースなどに適量プラスしたりと、用途の広い薬味です。使われるつなぎや盛りつけ方、食べ方が一般的なそばと異なる「へぎそば」。使用する布海苔の量によって色が変わる雪にさらすことで唐辛子のアクが抜けてうま味が増し、糀とともに発酵させることで味わい深い風味が出る●本誌の文書、写真、図版等の無断転載・複製を禁じます。転載・複製をご希望の場合は本協会までご連絡ください。出典:農林水産省Webサイト、参考資料:農林水産省ホームページ、『ポプラディア情報館 郷土料理』(株式会社ポプラ社)〒112-0004 東京都文京区後楽2-3-28 K.I.S飯田橋2階電話(03)5805-5250(代表) FAX(03)5805-5252毎月1日発行  1部85円(発行部数36,500部)医食同源新潟県次世代に伝えたい!かんずり・・Memo・・食用や糊料に利用される布海苔「布海苔」は、古くから織物の糊づけの材料や天然の文化財修復材料として用いられてきましたが、化学繊維の登場により需要は減少しています。現在広く出回っているのは食用の乾燥布海苔で、味噌汁や海藻サラダ、刺し身のツマなどに利用されています。へぎそば郷土料理麺

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