Labo_No.543
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AAいとたっりも知AA7Q&A 甲状腺の病気は、専門医でなければ、診察や治療がむずかしい病気です。健康診断などで甲状腺の異常を指摘された人、甲状腺を触って腫れやしこりなどを感じた人、気になる症状がある人は、甲状腺の専門医を受診してみることをおすすめします。 かかりつけ医から紹介してもらうこともできますが、日本甲状腺学会のホームページで地域ごとの認定専門医・施設名簿を閲覧することができます。https://www.japanthyroid.jp▶薬物療法治療法は、次の3つが基本です。甲状腺ホルモンがつくられるのを抑える「抗甲状腺薬」を服用します。また、動悸などの症状を緩和するために、交感神経の働きを抑える「β遮断薬」を併用することもあります。▶アイソトープ治療抗甲状腺薬が効きにくい、または副作用が強く出る場合は、アイソトープ治療が検討されます。放射性ヨウ素の入ったカプセルを飲み、甲状腺の細胞を壊して甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるのを抑えます。▶手術以前は甲状腺の一部を残す「亜全摘術」が行われていましたが、最近は、最も早く、確実に治療効果が得られる「全摘術」が主流です。ただし、甲状腺ホルモンがつくられなくなるため、手術後は甲状腺ホルモン剤を生涯服用し続けます(薬の副作用はありません)。★日常生活での注意点 悪影響を及ぼす喫煙と過度なストレスを避けましょう。喫煙をしていると、バセドウ病眼症が起こりやすくなります。橋本病と診断されても甲状腺の機能が正常であれば治療の必要はありませんが、経過観察のために定期的に受診します。▶薬物療法不足している甲状腺ホルモンを甲状腺ホルモン剤で補います(基本的に生涯飲み続ける)。妊娠・授乳中でも安全に使える薬です。橋本病の患者さんは無排卵になることがありますが、薬物療法で甲状腺ホルモンを補っていれば、妊娠・出産は可能です。甲状腺の機能が低下した状態では赤ちゃんの発達に影響することもあるので、自己判断で薬を中止せず、不安なことがあれば主治医に相談しましょう。★日常生活での注意点・海藻類をたくさん食べたり、ヨウ素を含むうがい薬で毎日うがいをしたりするとヨウ素の摂取過剰になり、甲状腺の機能低下が進むことがあります。気をつけましょう。・治療の効果が出ると元気になりますが、自己判断で薬をやめないことが大切です。手術法には甲状腺すべてを切除する「全摘術」と、がんのある側の必要最小限の範囲を切除する「葉切除術」があります。甲状腺がんが転移しやすい頸部リンパ節をいっしょに切除することもあります。再発のリスクや転移がある場合は、放射性ヨウ素を飲み、がん細胞を壊す「放射線治療(アイソトープ内用療法)」を行います。また、再発や転移があって手術がむずかしく、アイソトープ内用療法の効果が期待できない場合には、放射線を体の外から照射する「放射線外照射療法」や「分子標的薬療法」が行われます。分子標的薬の登場で、従来は治療が困難だった進行・再発甲状腺がんに対しての延命効果が期待できるようになりました。■ LABO – 2024.04参考文献:「甲状腺疾患治療ガイド」(編集:日本甲状腺協会、診断と治療社)、「甲状腺の病気といわれたら」(編著:西川光重、赤水尚史、監修:宮内昭、NHK出版)、「甲状腺の病気」(監修:野口仁志、内野眞也、主婦の友社)、「オンナたちの甲状腺」(著者:山内泰介、現代書林)、「NHKテキストきょうの健康」(2021年6月号、NHK出版)甲状腺の専門医を受診しましょう多くの場合、甲状腺ホルモンの過剰な分泌を抑える薬物療法を行います症状が気になる場合は、何科を受診すればいいですか?バセドウ病の治療法を教えてください不足している甲状腺ホルモンを薬で補います治療法は甲状腺がんのタイプによって異なりますが、基本は手術です。放射線治療や薬物治療も行われます橋本病の治療法は?甲状腺がんはどのように治療するのですか?Q1Q2Q3Q4甲状腺の病気

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