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19■ LABO – 2023.11参考文献:「国立がん研究センターの正しい検査」(監修:中山富雄、小学館)、「人間ドックの作法」(著者:森勇磨、中央公論社)、「賢い人間ドック健診の受けかた」(著者:山門實、幻冬舎)、「知らないと怖い がん検診の真実」(著者:中山富雄、青春新書)、「いちばん早期に見つける最新の検査」(著者:白川太郎/太田剛志、クロスメディア・パブリッシング)、「ひと目でわかる検査数値 改訂第二版」(著者:亀山祐美/梅田悦生、同文書院)、「病院で受ける検査と数値がわかる」(監修:済陽高穂/林泰、英和出版社)、「検査結果早わかり事典」(著者:小橋隆一郎、主婦の友社)、「脳■塞35の重要ポイント」(著者:森本将史、現代書林)、「狭心症・心筋■塞の治療と安心生活」(監修:上妻謙、主婦と生活社)、ホームページ(日本対がん協会、人間ドックのミカタ、日本泌尿科学会、女性ライフクリニック、メディカルノート「レディースドック」)、朝日新聞(2021年11月5日)図表5 気になる病気の発見にはこの検査脳卒中頭部MRI/MRA検査▶どんな検査?MRI検査(磁気共鳴画像診断)は磁気によって画像を得る検査方法。MRA検査(磁気共鳴血管造影)はMRI検査の画像から脳の血管の画像だけを抽出するもの。造影剤を使わずに血管の詰まりや脳動脈瘤を写し出せる。※動脈硬化の有無や進行状態を調べることができる「頸動脈エコー」もおすすめ。▶おすすめの理由無症状の脳■塞や若い人にも存在する未破裂動脈瘤を発見することができる。40代では3人に1人、50代では2人に1人に無症状の脳■塞が発見されたという報告がある。▶おすすめの人・受診間隔など脳卒中の危険因子のある人(家族歴、高血圧などの生活習慣病、喫煙など)は、1年に1回。▶備考MRA検査で見える血管は1mm以上のもの。脳ドックで予知できる脳卒中は全体の3割程度。無症状の動脈瘤が見つかった場合は、生活療法が中心となる。婦人科の病気・乳がんレディースドック▶どんな検査?一般的な人間ドックの検診内容に婦人科検診、乳がん検診を組み合わせたもの。「経膣超音波検査(経膣エコー)」が基本的な検査として含まれる。骨密度や性感染症の検査、さらには甲状腺の病気や関節リウマチなどの女性に多い病気を調べる場合もある。心臓病消化器の病気腹部超音波検査▶どんな検査?超音波を腹部に当てて臓器の状態を映像化する検査。検査中は医師(検査技師)の指示に従って腹式呼吸をくり返す。▶おすすめの理由放射線や造影剤を使わずに、肝臓、胆のう、膵臓、腎臓、脾臓などの情報を得ることができる。各臓器のがんに加え、脂肪肝、胆石、胆のうポリープ、膵のう胞などが発見される。▶おすすめの人・受診間隔など対策型がん検診にはない「腹部の病気」が気になる人。▶備考消化器以外の臓器(腎臓や前立腺、卵巣・子宮の腫瘍や腹部大動脈瘤が見つかることもある。検査で異常がみられた場合は血液生化学検査、腹部CT・MRI検査、生検、腫瘍マーカーなどの精密検査を行う。そのほか▶おすすめの理由子宮頸がん・体がんや乳がんだけでなく、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のう腫などの女性特有の病気を早期発見できる。▶おすすめの人・受診間隔など20歳以上。女性のライフステージごとに検査項目がセットされている場合は、該当するコースを選択する。▶備考経膣超音波は、細い超音波器具を膣内に挿入して子宮内部の状態を調べる検査。子宮・卵巣の形状や大きさ、子宮筋腫や卵巣のう腫の有無、子宮内膜の厚さなど多くのことがわかる。心電図検査、胸部X線検査▶どんな検査?「心電図検査」では、心臓の動きを心筋の収縮を表す波形によって確認できる。狭心症や不整脈、心肥大などがあると波形に異常がみられる。ほかの心臓病との鑑別にも有効。「胸部X線検査」では心臓の形や大きさ、大動脈の太さ、血管が硬くなる石灰化の有無がわかる。心不全の有無の確認にも有効。▶おすすめの理由受診機会の多い基本的な検査だが、多くのことがわかる。▶おすすめの人・受診間隔など生活習慣病がある場合、心電図検査は年に1回。循環器ドックを1度受けてみるのもよい。▶備考「循環器ドック」の基本検査には心臓超音波検査(心エコー)が含まれる(心臓弁膜症を見つけるのに最も有効)。循環器専門の超音波検査士のいる施設を選びたい。なお、心電図で異常が見つかった場合は命にかかわるおそれもあるため、精密検査の指示には必ず従うこと。▶「眼底検査」でわかることは重要眼底検査では、網膜、視神経、血管などを調べることができるため、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、網膜剥離など中途失明の原因になる病気の発見につながる。多くの場合、点眼薬で瞳孔を開き、眼底写真を撮って眼科医が読影する。▶男性は「テストステロン」を調べてみよう男性ホルモンの代表であるテストステロンは加齢とともに減っていく。人間の活力に影響を及ぼすホルモンでもあるため、何となく元気が出ない、憂鬱な気分が続くという場合は調べてみるのもよい。血液検査のオプションとして選択できることがある。▶とくに女性に必須の「骨密度検査」女性は閉経後に、「骨粗しょう症」になりやすい。骨折・転倒は介護が必要になる原因の上位を占めるため、女性は40歳、男性は50歳から5年おきに受けて予防に役立てたい。検査法には「デキサ法」や「定量的超音波測定法」などがある。デキサ法はエネルギーの強さの異なる2種類のX線を用いる、最も信頼できる検査。腰椎や大■骨頸部、腕の骨などで測定する。定量的超音波測定法は、かかとの骨に超音波を当てて測定する検査で簡易的な方法。

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