Labo_537
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▼鼻の中を調べる検査▼画像検査▼細菌検査に指定難病に追加されました。好酸球性副鼻腔炎の中等症・重症の人は国内に約2万人とされています。この病気の人は1900年代には日本にはいませんでしたが、1990年代後半から2000年にかけて徐々に増え、いまも増加しています。男女比では、男性より女性に多い傾向があります。基本的にはの患者さんはほとんどいません。鼻茸自体は良性腫瘍ですが、風邪を引いたり、細菌感染が起きたりするたびにどんどん大きくなり、ひどい場合は鼻の穴から溢れそうになることもあります。この鼻茸を顕微鏡で調べると、好酸球という免疫細菌が多数認められます。原因ははっきりとはわかっていませんが、合併するぜんそく、アスピリン不耐症(過敏症)も発症・増悪にウイルスが関与していることから、ウイルス感染が原因の1つとして疑われています。実際、ウイルス感染が起こると症状が急激に悪化し、鼻茸が大きくなって、鼻水の粘り気も強くなります。そのほかの症状としては、嗅覚障害、ぜんそく、難聴などがあげられます。副鼻腔炎は、原因が多岐にわたる病気です。正しい診断のためには、耳鼻咽喉科で最初に行われる「問診」の際に、患者さんが正確な情報を伝えることが大切です。問診では、次のようなことを質問します。・どんな症状がいつから続いているか・鼻水の状態はどうか(色、粘り具合、異臭の有無など)・最近、風邪を引いたり、インフルエンザにかかったりしたか・においや味がわかりにくくはないか・顔面や頭、歯に痛みはないか・アレルギー性鼻炎はないか  続いて、次のような検査を必要に応じ5 鼻汁などの分泌物を採取し、原因菌をて行い、診断を下します。鼻鏡や内視鏡を用いて、鼻の中を観察します。鼻の中の腫れ、鼻水の状態、鼻茸の有無などを調べます。副鼻腔炎が疑われる場合は、CT検査またはX線検査を行います。副鼻腔は空洞なので、CT画像の場合、健康な状態では黒く写りますが、膿がたまっていると灰色に写ります。鼻茸も確認できます。X線検査でも陰影から炎症を起こしている部位を確認することができます。そのほか、MRI検査を行う場合もあります。MRI検査による脳ドックを受けたときに、副鼻腔炎と診断されるケースが少なくないといわれています。など鼻の中の観察、画像検査、鼻汁の検査などを行い診断■ LABO – 2023.1020歳以上になってから発症し、15歳以下上鼻道中鼻道下鼻道鼻茸鼻茸は、鼻腔や副鼻腔にできるポリープ。慢性副鼻腔炎の10〜20%に現れ、とくに好酸球性副鼻腔炎の人に多くみられます。鼻茸ができる原因やメカニズムは、まだ十分に解明されていません。大きくなると鼻呼吸ができなくなるばかりでなく、副鼻腔炎の悪化を招きます。■細菌・ウイルス主な原因は、鼻風邪を引き起こす細菌やウイルスによる感染。■細菌・ウイルス以外・真菌(カビ) カビが副鼻腔内に感染して強い炎症を起こすことがある(副鼻腔真菌症)。  ・アレルゲン(花粉、ハウスダストなど)花粉やハウスダストなどを吸引すると、副鼻腔内にアレルギー反応を起こすことがある。鼻腔の炎症にともなって発症すると考えられている。・好酸球の過剰な活性化 好酸球性副鼻腔炎。ぜんそくやアスピリン不耐症、薬物アレルギーの人に多いといわれている。  ・歯根への細菌感染上あごの奥歯の歯根が細菌に感染して炎症が起こると、その真上にある上顎洞にも細菌が侵入し、歯性上顎洞炎を発症することがある。とくに歯の神経を抜いた人や歯周病の人は注意が必要。 ・気圧の変化航空機や高層ビルのエレベーター、天候の悪化などによる気圧の変化により、副鼻腔炎が悪化することがある。図表2 副鼻腔炎の原因 副鼻腔炎は副鼻腔の粘膜に炎症が起こる病気です。その炎症は、次のようなさまざまな原因により引き起こされたり、悪化したりします。図表3 鼻茸(鼻ポリープ)とは?

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