Labo_530
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 人気背の筋腹運筋動運動・不人気の 姿勢腹を筋支よえりてもい背る筋のは 背筋筋をト重レ視通するのが第3回人気はない(?)けど実はとても大事な背筋群!筋トレ種目はいろいろありますが、中でも腹筋運動はとても人気があります。ジムに来て、ひたすら腹筋だけを鍛えて帰る人を見かけることさえあります(笑)。そこまで腹筋ラブな人は珍しいですが、多くの筋トレ実践者は腹筋を重要視しています。体幹を前に曲げるクランチやシットアップなどの腹直筋を鍛える種目を、多くの人が筋トレプログラムに組み込んでいます。近年流行の体幹トレーニングのプランクも、主には腹直筋をターゲットとした種目です。それとは対照的に、背筋の筋トレ種目はあまり人気がありません。体幹を後ろに反らせる背面の筋肉を総称して脊柱起立筋といいますが、脊柱起立筋を鍛える種目を重視している人はあまり見かけません。脊柱起立筋の種目はまったくしないという人も多いでしょう。そんな不人気な脊柱起立筋ですが、生活機能において、実はかなり重要な働きをする筋肉です。座っているときも、また歩いたり走ったりなどの動作でも、基本的に「前かがみ」です。前を向いて前向きに進む我々の体は、やや前重心で前かがみ。のけ反る姿勢を普通はとりません。で体幹の姿勢を支えているのは、主には背面の脊柱起立筋になります。背中を反らせる方向の力で上体を支えているのです。腹直筋はほとんど使われていません。筋電図を用いた測定でもその差は明らかです。す。姿勢を支え続ける背筋群は疲労がたまりやすいからです。「凝ってますね」と、背中を押しながら言うことはありますが、お腹を指圧しな人の姿勢は、立っているときもですので、日常のさまざまな動きだから、マッサージもうつ伏せでがら言うのは聞いたことがありませんよね。姿勢を支えるメインは背筋群ですので、生活機能を維持・向上させたい中、高齢者の筋トレとしては、断然背筋運動が優先されるべきです。腰痛の予防に対しても、支える筋力に問題があるなら、まず鍛えるべきは腹筋群よりも背筋群です。ジムにあるローマンチェアという背筋群を鍛える台があり、これで行うハイパーバックエクステンションという種目がおすすめです。大きく背中を丸めて反らせながら上体を上下させます。自宅にはローマンチェアはありませんので、椅子で行う方法で代用するのがよいでしょう。椅子に座って大きく背中を曲げてから反らせる方法をおすすめします。背骨を大きく動かすことで、背骨周りの動きも改善できるので、腰痛予防にも効果的です。割れた腹筋はいい体の象徴で、すごくかっこいいのですが、機能としては背筋にも注目してほしいところです。腹筋だけでなく、背筋にも注目して、しっかり鍛えてあげてください。背筋運動を重視できるのが「筋トレ通」ですよ。自宅で手軽にできる背筋運動椅子に浅く腰かけて足を大きく開いて構えます。しっかり大きく背中を丸めて前に倒し、顔を上げて背中を反らせながら上体を起こします。きつければ手を膝に置いて、強い人は万歳して行いましょう。10回程度が目安。ていねいに行えばかなり効きますよ。負荷アップ負荷ダウン2023.03 – LABO ■10谷本道哉(たにもと・みちや)運動生理学者、筋生理学者1972年、静岡県静岡市生まれ。大阪大学工学部卒、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。順天堂大学スポーツ健康科学部専任准教授。『みんなで筋肉体操』(NHK)の出演者として知られる。著書に『筋トレまるわかり大事典』(ベースボール・マガジン社)、『スポーツ科学の教科書――強くなる・うまくなる近道』(岩波書店)、『スポーツがうまくなる!! 身体の使い方、鍛え方』(マイナビ)など多数。令和医新

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