Labo_529
13/16

図2 医療ツーリストの受入れイメージ図3 医療機関の認証制度多言語による診療案内や、異文化・宗教に配慮した対応など、外国人患者の受入れに資する体制を評価し、国内の医療機関を受診するすべての外国人に、安心・安全な医療サービスを提供できる体制づくりを目指しています。英語・中国語など多言語による対応、宗教の教義に合った食事の提供などが求められます。運用は、一般財団法人日本医療教育財団が行っています。74医療機関(2022年6月6日現在)が認証され、インターネットにて検索できます。先のJIHとの違いは、JMIPは、在留・訪日外国人を対象とし、これらの外国人が予約なしで来院しても、 受付・診療・会計まですべて自ら対応できるように、診療科単位ではなく、 病院全体の受入れ体制を審査します。一方、JIHは、医療渡航受診者が対象で、渡航前の情報収集・受診時の通訳・医療費の支払い・予後フォローまで含め、あらかじめ渡航支援企業と調整のうえ対応することを前提としています。JIHは、推奨組織(MEJ)を通じて、外国に対し情報発信を行っています。International)2020年の医療ツーリズムの市場JCI(Joint Commission 月15日現在)となっています。JCIとは世界基準の認証で、1994年に医療機関を評価するた(JC:The Joint Cmission日本政策投資銀行が発表しているデータによると、日本における規模は5500億円で、2800億円の経済効果があるとしています。日本の医療は世界から注目されているので、医療ツーリズムが発展する余地は十分にあると考えられます。とくに、5年生存率世界一の大腸がん、肺がんをはじめとするがん治療、新生児死亡率がずば抜けて低い新生児医療、低侵襲の整形外科手術などが注目されています。日本の認定制度とあわせて、が増え、31医療機関(2021年2めに設立された病院評価機構になって設立されたものです。高品質な医療と患者さんの安全性を評価することを目的としており、世界でもっとも基準が厳しいとされ、取得できるのは世界でも数パーセントの病院だけといわれています。認証を受ける医療機関)が元日本における医療ツーリズムの潜在的な需要としては、 よりよい品質の健診・検診を求める新興国の富裕層、最先端の医療技術を求める世界の患者、低コストの医療を求めるアメリカなど先進国のツーリストなどが考えられています。医療ツーリズム推進によるメリットとしては、外国人患者を受け入れることで、医療の国際化が進むこと、日本の優れた医療技術と医療サービスを外国人に提供することが国際貢献につながることなどがあげられます。また、医療ツーリズムは公的医療保険を使わない自由診療なので、医療機関の経営を安定させる経済効果も期待できます。デメリットとしては、病院が利益優先で医療ツーリズムを取り入れることで、日本人患者の治療がおろそかになってしまうのではないかという心配の声があがっている点です。医療ツーリズムで日本の医療環境が活性化し、医療ツーリズムで得られた技術、設備が国内医療に還元され、それがまた医療ツーリストの増加につながるといった好循環を期待したいものです。日本の高い技術と安全性に注目これからの取り組みに期待医療ツーリズム発展によるメリット、デメリットは?om渡航受診者目的高度な医療提供と患者の安全を評価JCI審査者対象審査内容世界の医療機関「患者安全」「感染管理」「医療の質と改善」など、14分野について評価31医療機関(2021年2月15日現在)認定・認証数(国内)認証医療渡航支援企業外国人患者の受入れ体制を評価一般財団法人日本医療教育財団日本の医療機関「受入れ体制」「患者サービス」など大きく5つの分野に分けて評価74医療機関(2022年6月6日現在)JIH WebサイトJAPAN Hospital Search情報発信推奨病院・受入れ診療科の情報渡航受診者と病院のマッチングJCIJMIPMEJ(認証機関)Medicalリスト掲載ExcellenceJAPANJIH推奨病院問い合わせ・申し込み、送迎・通訳つき添い実績のある安全な医療の提供 for International Patients相談、診療情報提供、渡航受診の予約申し込み★参考資料 ・日本経済新聞デジタル版2022年12月7日ほか ・厚生労働省、経済産業省、一般財団法人日本医療教育財団、株式会社日本国際医療センター、株式会社日本政策投資銀行ホームページ ・『インバウンド時代を迎え撃つ 医療の国際化と外国人患者の受入れ戦略』真野俊樹著・日本医療企画調査・審査推奨13■ LABO – 2023.02Medical Trendメディカル・トレンド

元のページ  ../index.html#13

このブックを見る