Labo_529
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SDGsは、世界をよりよくするた〝め健の17 康標の:目国標連かがら定なめりたま国す際。目カ標ラフのルな輪っかのマークや、そのバッジは今ではすっかりお馴染みですね。この17目標の3番目に「すべての人に健康と福祉を」があります。1番が「貧困をなくそう」、2番が「飢餓をゼロに」ですので、先進国の我が国においては、健康と福祉は実質的に1番目の目標といえます。古代ローマの詩人ユウェナリスは「健全な精神は健全な肉体に宿る」の言葉を残しました。健康で元気でいることは、前向きな行動や気持ちに強く影響すると思います。そして、元気で健康な体の礎になるのは、「強い足腰」をはじめとする全身の高い筋力です。自分の足で歩ける筋力があれば、すぐ近くまで車で出かけることもなくせます。SDGsの13番目の目標である「温暖化対策」の行動がとれるということです。また、健脚で活動量が増えることには、うつ病の予防や改善の効果があることがわかっています。SDGsの16番目の目標に「平和と公正」があります。戦争や紛争の抑止だけでなく、「個々人が精神的に平和であること」も、立派な平和維持活動です。のミサイル、アメリカの分断の危機など、日本にとってもこれらは対岸の火事ではありません。防衛費拡大のための増税案が審議されています。強い筋力で、「体健やかこころ穏やか」に世界平和を!といきたいものですね。体は、その人の生活の質、幸福度の向上につながりますが、その恩恵は自分自身だけのものではありません。自立して生活できていれば、介ウクライナ戦争をはじめ、北朝鮮護で周りのお世話にならずにすみます。元気に活動できれば、自分自身が人生を楽しめるだけでなく、「周りの人が嬉しくなること」もたくさんできますよね。もっとも重要となるのは、体重を支えて移動を行う脚の筋肉です。加齢で衰えやすい部位なので、スクワットでしっかりと鍛えて健脚を目指してください。スクワットにはさまざまなフォームのアレンジがありますが、大切なのはしっかり深くしゃがむことです。浅いスクワットは浅はかなスクワット。奥深くしっかりしゃがみましょう。「高齢者にはフルスクワットはできない、危ない」と言われることがありますが、恐れるよりもまずはやってみてください。深くしゃがむほど膝や腰への負担が大きくなるのは確かですが、効果は上がります。我々の大学で取り組んでいる高齢者(平均年齢約80歳)の筋トレの介入研究では、トレーニング開始2か月もすれば、多くの方がホイホイとフルスクワットを行っていらっしゃいます(写真)。しかもスローテンポで15回を3セットも!高齢の方でも、やればできるんです。健 脚ト」:生活機能を支える上で〞はSDGsの3番目の目健健脚る、は「「平温和暖」化に対も策つ」なにがつるな:が健健も康・の健で脚ははな自い:分の元た気めでだ健け康なのを作る「奥深いスクワッ第2回SDGsな筋トレ!自分だけでなく 「周囲も幸せになれる」順天堂大学のトレーニング研究でのスクワットの様子。写真のように「背すじを伸ばし、前傾してお尻を引いて」しゃがめば、奥深いスクワットでも膝や腰に痛みが出るリスクは高くなりません2023.02 – LABO ■10谷本道哉(たにもと・みちや)運動生理学者、筋生理学者1972年、静岡県静岡市生まれ。大阪大学工学部卒、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。順天堂大学スポーツ健康科学部専任准教授。『みんなで筋肉体操』(NHK)の出演者として知られる。著書に『筋トレまるわかり大事典』(ベースボール・マガジン社)、『スポーツ科学の教科書――強くなる・うまくなる近道』(岩波書店)、『スポーツがうまくなる!! 身体の使い方、鍛え方』(マイナビ)など多数。令和医新

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